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水土資源保全グループ


地域資源としての「水土」


 農業用水は食料の生産のみならず、地域社会や環境を保全する水としての機能を持っている。また、水田農業を継続することにより、下流域の洪水の緩和や水源涵養など流域の持続的で健全な水循環を支えている。農業用水を供給する農業用水路の延長は40万km以上に及ぶ、重要な地域資源である。 一方、近年の農業農村をめぐる構造変化は少数の担い手への農地集積や飼料米の拡大などにより農業用水の需要は多様化複雑化している。
 水土資源保全グループでは、こうした変化を踏まえ、農業用水の管理、施設の適切な保全管理、省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入など、農地、農業用水及び農業水利施設を巡る課題に関する調査研究に取り組んでいる。

最近の主要な研究実績

―農業水利施設の省エネルギー化に関する調査検討(国営事業支援)―

 東日本大震災後、エネルギーを賢く消費する社会の構築に向け、省エネルギー化対策を最大限推進することが喫緊の課題となっている。また、地球温暖化防止の観点からも、省エネルギー化対策によるCO2排出量削減が必要となっている。他方、農業水利施設は、総電力容量が250万kw以上と大口の需要部門である一方、旧式の施設も多く、省エネルギー化の余地は大きい。
 このため当総研では、全国からモデル地区を選定し、効率的な送水計画や、高効率の機器(変圧器、電動機、ポンプ)導入等の地域毎の省エネルギー化対策の検討及びその費用対効果を調査・分析している。

−水需要の変化に対応した用水管理、施設管理の事例(パイプライン化の効果)−

 農家の減少や高齢化が進む中で、農業を強くしていくためには、担い手への農地利用集積を進め、規模の拡大を図るとともに、大規模・少数の担い手に地域の水利用が集中する新たな農業水利システムが構築されるよう、農業水利施設についても一層の合理化を図っていく必要がある。
 当総研では、供給重視から営農重視の水管理への転換と持続可能な水管理体制を目指す次世代型農業水利システムの構築に向けた調査を行っており、次世代型農業水利システムのモデル構想として、パイプライン化、施設の統廃合、ICT導入等、水利用の効率化を図り、当該用水系統受益が抱える課題の解消を目指した施設整備構想案を提案している。

省力化・自動化手法の例

@チェックゲートの設置
(宮川用水地区)

A監視・制御のICT化
(笠野原地区)

B末端施設のパイプライン化
(妹背牛地区)

C自動給水栓の設置
(道前平野地区)

水土資源保全グループ

「農村が有する自然エネルギー利用の最適化システム」を公開しました。
農村が有する自然エネルギー利用の最適化システム