―JIIDから―
現地適正化技術開発交流セミナーをタイ国で開催

 2007年1月29日〜31日に、タイのバンコクにおいて、現地適正化技術開発交流セミナーを開催いたしました。本セミナーは、農林水産省の補助金を受けて、昭和63年から(財)日本水土総合研究所(JIID)が開催しているものです。過去18年間は海外から参加者を招聘して日本で開催していましたが、今回はタイ国王室灌漑局(RID)の協力を得て、初めて海外で開催しました。

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写真1 現地視察状況(末端水路)

  本セミナーを海外で開催する意義は、置かれている状況に共通性があるモンスーン・アジア諸国が、現地の事例に則し、互いの国が有する技術や情報について意見を交換することにより、技術力の向上はもとより、地域の連携・協力が強化されることにあります。

  セミナーの参加者は、開催地タイからのRID職員14名、土地開発局8名、水利組織代表2名、計24名に加え、カンボジア、ラオス、ミャンマーおよびベトナムから各々2名ずつ(政府職員1名、水利組織代表1名)の合計32名でした。また、日本からは大学の研究者、農林水産省、日本大使館、JICAタイ事務所、JIIDの関係者が参加しました。

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写真2 現地説明の状況

  今回のセミナーでは「末端灌漑整備と農民参加型灌漑管理」をテーマに、JIIDが行っている調査、各国の政府職員による政府の政策、水利組織代表による各組織の概要・活動内容などについて発表されました。スタディツアーでは、2005年に終了した水管理システム近代化計画(JICAプロジェクト)の現地、JBICローンを利用して実施されているKaeng Khoi-Ban Moポンプ灌漑事業、その水源であるPasak Jolasidダムなどを視察し、参加者と各プロジェクトの担当者および受益地の水利組織代表が意見交換を行いました。

  各国の参加者は、いかにして“農民水管理組織による自主的な管理を推進したらよいか”に対する関心が高く、活発な議論が行われました。また、セミナー終了後、参加者から「各国の新しい情報を得られた」、「多くの人と意見交換ができた」、「タイの現地事例が参考になった」などの感想が述べられました。

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