現地適正化技術開発交流セミナー開催

  平成17年12月13日〜16日に、昨年に引き続き「水管理と農民:地域の経験と知見の共有」を主題とし、JIIDが農林水産省の補助を受け開催。
  海外からは、5か国(フィリピン、ミャンマー、スリランカ、バングラデシュおよびパキスタン)の政府職員と農民各1名が参加。日本からは水土里ネット群馬用水、大学・農業工学研究所の研究者、農水省農村振興局海外土地改良技術室、水資源機構、緑資源機構、全国水土里ネット、群馬県およびJIIDが参加。
  今回のセミナーのテーマにある「水管理」の分野においては、「農民の参加型灌漑管理:PIM」という概念が重視されており、世界水フォーラムなど国際的水議論の場でもセッションが頻繁に開催されるなど、世界各国にその概念は広がりを見せている。しかし、その必要性は理解しつつも、実践に当たっては各国における状況が大きく異なることや、ノウハウが不足しているなど、課題と難しさがある。各国における経験を発表・議論することで、多様性に関する参加者全員の認識を深めること、およびそれらを通じて各地域への適用性についてアイデアを得ることがねらい。
  セミナーは国立オリンピック記念青少年総合センターにて13日と14日に行われ、翌15日には群馬用水の現地を視察し、16日に閉会した。
  海外からの参加者からは、「他の国々のPIMの実行状況を知るのは大変参考になる。このセミナーで得た知見を国に帰って活かしたい。」などの意見が寄せられた。次回は、本セミナーをより効果的に実施する上で、海外にて開催することを提案するということで締めくくられた。
(JIID)

日中農業水利交流基調講演会開催

 平成17年11月10日に、日中農業水利交流の一環としてJIIDが農林水産省の補助を受け、農業土木学会国際委員会と共同で基調講演会を開催。
  日中農業水利交流は、昭和56(1981)年から継続されており、25周年という節目の年にあたり、中国側からは水利部農村水利司のリー・ダイシン司長を団長とする訪日団9名を受入れ。
  この年は、農村水利司長を迎える機会を得たことから日中両国の農業水利を取り巻く現状と今後の展望について基調講演を開催することとし、農業土木学会国際委員会は海外事情講演会と位置付けて共催。
  はじめに、日本側を代表して農林水産省農村振興局の中條康朗次長が「農業農村整備の展開」と題して、日本の農地・水利ストックの現状、農業農村政策の変遷、農地・水利ストックが発揮する効果、今後の展開方向について説明がなされた。
  次に、中国側を代表して李司長が「中国農村水利の現状と展望」と題して、中国農業水利の現状、農村の水利事業が直面している課題と展望について多数の写真を織り込んだ説明がなされた。
  その後、予定の時間をオーバーして活発な質疑応答が行われた。
  訪日団一行は、個別テーマに関する日中両国から3名ずつの論文発表による技術交流セミナー、岡山県、島根県下の農業農村整備事業の実施状況視察や土地改良区との意見交換会などを精力的にこなし、とどこおりなく10日間の日程が終了した。
(JIID)

前のページに戻る