(C)JICA 相馬正浩撮影 ジンバブエ
(ジンバブエ)

編集後記

 2000年9月の国連総会にて採択されたミレニアム発展目標の進捗状況は国連開発計画の調査によれば、なべてはかばかしくありません。なかでもサブサハラ・アフリカは遅れが目立っています。「貧困の改善」と「栄養不足の改善」と「下水など衛生設備の改善」は「後退」、「初等教育の徹底」と「乳幼児死亡率の改善」と「水へのアクセスの改善」は「遅れ」との状況にあります。
 さて、アフリカの農業農村開発を特集しました。ご執筆内容のそれぞれが実践体験を通じてのことで、いたずらに悲観的なものでなく、開発のためのキーワードがいくつも示されました。
 たとえば、「住民参加」「NGOとの連携」「風土適合型農業」「生活改善普及」「自立のためのファシリテーション」「フードセキュリティー」「水管理の強化」「NERICA米」「アグロフォレストリー」「女性の能力開発」などでしょうか。
 これらを通じた食料生産力の強化が今日、もっとも必要とされるアフリカ支援であるにちがいありません。もう1つ、即効薬にはなりませんが、教育も大切なことなのでしょう。女性が教育を受けられる期間が長いほど、出生率も下がるという事実があるからです。農業農村開発に際しても、耕地や水といった限られた資源の1人当たり使用可能量を考えると、あまりの人口増加には対応がむずかしくなってしまいます。

 


編集委員


委員長 境 忍
委 員 森田隆博 内藤久仁彦 吉武幸子 岩本 彰 

画像は、国際協力機構(JICA)・著者から提供されたものです。
撮影はブルキナファソ・モンゴル:今村健志朗/ニジェール:飯岡明夫/ジンバブエ:相馬正浩/ウガンダ:船尾修、国際協力機構提供。
画像や文章はそれぞれの著作権者に属します。
写真と本文は直接関係が
ない場合もあります。

前のページに戻る