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コミュニティを基盤とした
プライマリ・ヘルスケアの
充実のため、東チモール
医療友の会の診療所で
働く日本人看護士

 

編集後記

 国際コメ年に因んだ特集です。前号ではアフリカのコメ事情をお伝えしましたが、今号では世界のコメの生産と消費のおよそ90%を占めるアジアが中心になりました。長江の稲作の起源から脈々と続くコメ文化。小麦よりも歴史が長いわけです。食とはまさに文化です。
 日本は長らくコメ不足であったのですが、昭和30年代に豊作が続いたこと、またアメリカが余剰小麦の絶好の市場として日本に目をむけたことが重なってコメ攻撃が始まります。「日本人は米作りの名人で、稲という熱帯性の植物を寒冷地にも適するこうに品種改良をやった。それも度が過ぎて、無理な所にまで米作りをするようになっている。(中略)津軽地方にはシビカッチセキといって、めし粒を食ったコイや金魚のようにブヨブヨの皮膚病になる奇病さえある。(中略)今では肉、牛乳、卵などの蓄産物を主食にするのが世界的な傾向だ。その点で日本は百年も遅れている(昭和32年9月3日 天声人語)」とまで書かれています。
 今日、肥満に悩むアメリカでは高所得層を中心に和食への関心が高まっています。「百年も遅れていた」のでしょうか、私たちの食文化は。

 

編集委員

委員長 境 忍
委員 井田充則 岩本 彰 志野尚司 吉武幸子

 

画像は、・国際協力機構(JICA)・著者から提供されたものです。
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