2025.8 AUGUST 72号
編集後記
国連食糧農業機関(FAO)の報告書によれば、2023年で推計7億3,300万人が飢餓に直面し、2018年と比較しても3割増加しています。飢餓に直面する人口の割合は、世界全体で9.1%、地域別でみるとアフリカが20.4%と最も高くなっています。これまで新興国の経済発展や国際社会の支援などによって、世界の飢餓人口の割合は2003年の12.9%から2017年に7.1%まで低下したものの、コロナ禍や国際紛争、頻発する自然災害などでサプライチェーンが混乱し、食料やエネルギーの価格が世界的に高騰したことが要因となり、再び上昇に転じています。とりわけアフリカは、2100年に現在の12億人から約33億人まで人口増加すると国連が予測しており、早急な農産物の生産性の向上、これに対応する人材育成などが求められています。
今号では、8月20~22日の横浜での第9回アフリカ開発会議(TICARD9)も踏まえ、特集テーマを「アフリカの食料安全保障」とし、JICA、企業、研究機関、教育機関、国際機関などのアフリカ各国での農業農村開発の様々な取り組みを紹介しています。
今後、日本が長年、ソフトとハードの両面で力を入れてきたアフリカでの農業農村開発の取り組みをさらに進化させ、諸外国とも連携しながら効率的で強靭な持続可能な農業・食料システムを構築していく必要があります。
最後になりましたが、今号の発行にあたり、ご多忙の中、ご寄稿いただいたご執筆者の皆様、並びに、本誌を手に取っていただいた読者の皆様にこの場をお借りしてあらためてお礼を申し上げます。
※画像や文章はそれぞれの著作権者に属します。
企画委員会
委員長 角田 豊
委 員 北田裕道 國安法夫
福村一成 渡辺 守
編集委員会
委員長 山田潤一郎
委 員 中 達雄 福村一成
いずれの委員会も氏名は五十音順