2023.8 AUGUST 68号

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編集後記

 世界の人口は拡大を続けており、2022年に80億人を超え、国連の推計では2059年までに100億人を突破すると予測されています。一方で、世界の農業就労人口は、国際労働機構(ILO)によると2000年に10億人以上であったものの、2019年では約8億8,000万人と大幅に減少しています。日本でも農家の減少と高齢化が深刻化しており、これらを解決するため、ロボットやセンサー技術、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビックデータなどを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)化が農業分野でも加速しています。農林水産省も21年に「農業DX構想」を策定し、官民の垣根を越えて持続可能な農業の実現を目指しており、このような流れを受けて、今回の特集テーマを「農業農村開発とDX」としました。

 本誌では専門家や大学教授、民間技術者、行政担当者などから世界の農業農村開発とDXについて幅広い知見を集積し、現状の報告から課題、今後の展望まで紹介しています。

 農業農村でDX化が進めば、農業従事者の高齢化や人手不足、後継者問題を解決するだけでなく、農作業の効率化を図ることで、生産性向上やコスト削減にもつながります。さらに、衛星データや気象データ、農作物の収量などのビックデータと農業技術を組み合わせれば、農作物の品質向上や気候変動による食料危機への対応も期待できます。私たちの命と地球環境を守るためにも、諸外国とも連携しながら農業農村開発とDXをさらに推進する必要がありそうです。

 最後にこの場をお借りして、ご多忙の中、ご執筆いただいた方々に改めてお礼を申し上げるとともに、本誌の読者の皆様に感謝申し上げます。

※画像や文章はそれぞれの著作権者に属します。


企画委員会

委員長  角田 豊

委 員  石川善成   北田裕道   國安法夫   渡辺 守


編集委員会

委員長  石川善成

委 員  中 達雄   山田潤一郎

いずれの委員会も氏名は五十音順


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