*  栽培室はほぼ密閉されているので、根から吸水され植物の葉から蒸散した水蒸気はエアコン冷房時に冷却コイル面での結露水としてほぼ全量が回収され、その回収水は養液タンクに戻される。灌水(かんすい量の約95%は葉から蒸散するので、この水回収によって、水利用効率は95%前後となる(蒸散した水蒸気を回収できない田畑や園芸施設における水利用効率は5%以下、多くの場合は1%以下である)。換言すれば、植物工場は超節水型植物生産システムである。二酸化炭素や肥料も循環利用されるので、利用効率が高い。なお、栽培室での電力消費量の内訳は、照明80%、エアコン冷房15%、ポンプ・ファン5%程度である。栽培室の一部でも照明されていれば、エアコンは冷房運転となる。1 kgの野菜を生産するのに必要な電力量は現状でも1 kWh以下なので、将来の技術改善により、太陽光発電で賄えない量ではない。